今回のスイッチEP2は、前回に引き続き、川原繁人先生と上白石萌音さんが出演されます。
テーマは「声 からだ しあわせ」ということだそうです。
内容は『究極の言語オタク川原繁人先生が上白石萌音さんを生徒に予想のつかないレッスン』
萌音さんの発音の面白い発見について、非常にマニアックになるそうです。
上白石萌音さんが川原繁人先生に興味を持つきっかけになったのは著書「フリースタイル言語学」を読んで、ラップ、メイドの名前、キャラクターで馴染みやすく、文言葉のチョイスやエピソード、文章の運び方がとても面白くて、気付いたら言語学の楽しさにハマっていたそうです。
川原繁人先生の以外な告白
上白石萌音さんも面白いと言っている『フリースタイル言語学』ですが、実は執筆中は川原繁人先生にとってはとてもつらい時期だったと言います。
大学の授業が2020年からオンラインになって、対面だったら伝えられる思いも伝えられないもどかしさがあったそうです。
また、執筆した2022年2月はコロナの第波6で娘さんの学校も学級閉鎖が続いていつどうなるか分からないという中で執筆されたそうです。
なので、自分の内面を一番さらけ出している本だと感じているそうです。
これを受けて上白石萌音さんが「読み終わってすぐとったメモ」の内容を紹介してくれました。
上白石萌音さんには、「人生が書いてあってすごく好きな本」だったそう。
川原繁人先生の人生の悩みをしっかり読み取っていたんですね。
川原繁人流 日本語ラップの韻の考察
川原繁人先生は一般的に言われている「日本語ラップの韻は母音を合わせる」と言われていたことに物足りなさを感じていて、「子音も似た音があってる」という直感があったそうです。
その直感を感じた曲の歌詞がこれです。
これが言語学的に美しすぎる韻だとか。
まず、母音が合っている。
kettobase
gettomane
だけど、子音が面白いらしい。
例えば、「k」と「g」は「か」と「が」で唇の動きや舌の位置が同じだそう。
そして、「b」と「m」、「s」と「n」も同じ唇と舌の動きをするそうです。
なので、すべての子音が口の中のどこで発音するのかが完全に一致しているという秘密があったそうです。
これを「調音点」というそうですが、川原繁人先生は日本語ラップは母音の韻だけではなく、子音も「調音点」を踏んでいるという大発見をしたそうです。
2005年頃は日本語はラップに向いていないという説があったそうで、これに川原繁人先生はムキになって反論したかったというのを言語学の観点から科学的に証明したということですね。
上白石萌音の??音疑惑について
ここで特別授業がはじまりましたが、このタイトルではなんのことだかわかりませんよね。
しばらく展開を見てみることにしましょう。
まず、川重繁人先生が上白石萌音さんに次の言葉を発音させます。
- 大丈夫(daijoubu)
- 名作(meisakuk)
- 抱きしめた(dakisimeta)
- ギャップ(gyappu)
この言葉には全て、「b」「m」「p」のどれかが入っていて、これを発音する時は通常、唇を閉じて発音(両唇音)するそうです。
ここで、川原繁人先生が上白石萌音さんに「笑顔のまま」さっき例に出した言葉を発音してもらいました。
ちょっとなんのことか分からなかったですが、
川原繁人先生は
「ほら、やっぱり 出た出た」
と大興奮!
上白石萌音さんがなんのことか聞くと、川原繁人先生が言うには、「上白石萌音の唇歯音疑惑」だそうです。
「唇歯音」って何?っていうと、ブ、ム、プ、などを発音する時は唇を閉じて発音しますよね。
ところが、上白石萌音さんは、笑顔でブなどの音を発音すると、唇を閉じずに、下唇と上の歯で口を閉じて発音する「唇歯音」ができるそうです。
川原繁人先生は、上白石萌音さんが笑顔で唇歯音を発音できる理由をこう説明してくれました。
これは、笑顔を大事にしている上白石萌音さんだからこそできることだと分析していました。
これは川原繁人先生にとっては大発見で、他の人でも確認してみたいと意欲を見せていました。
川原繁人先生と上白石萌音さんとの出会いで新仮説が生まれるとは素敵ですね。
歌うからだのしくみ
上白石萌音さんは歌手でもあるので川原繁人先生の著書「歌うからだのしくみ」を読んで知識を得ることで歌に対する向き合い方が変わったそうです。
ところが、上白石萌音さんには歌う際に苦手な母音があるそうです。
それは、「あ」から「い」に音が変わるときに音が高くなりすぎて不安定になるそうです。
それを川原繁人先生は、「い」という発音は「あ」より音が高くなる傾向にあるから、「あ」から「い」に音が変わるときに、音を上げようと意識しすぎると高くなりすぎているのでは?と分析。
上白石萌音さんは「それだ!」と納得されて、すぐにでも練習で試してみたくなったそうです。
これも言語学から導き出された仮説ですが、言語学の奥の深さには驚かされました。
川原繁人先生が言語学の面白さを追求する理由
以前の川原繁人先生は、根本のところで自分の研究がなんの役に立っているのかを悩んでいたそうです。
アメリカで博士になって、日本に帰ってきたときに言語学は日本では馴染みがなかったため、「言語学って何の役に立っているの?」という直球の質問をかなり受けていたそうです。
それに対して、例えば、「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」で声が出せなくなる病気にかかった患者さんの声を録音しておいてパソコンで声を出せるようにしておくことで、患者さんが声が出せなくなっても介護者や家族の方とコミュニケーションをとれるプロジェクトなどに携わるこで自分を奮い立たせてきたという熱い想いがあったそうです。
川原繁人先生のような明るくユーモアのある方でも大変な時期を乗り越えてこられたのを知り勇気づけられました。
川原繁人先生の娘のことばへの不思議に向き合い方
川原繁人先生は子どもがどう言葉を話すようになるかも本にしていて、娘の言い間違いなどを全部録音して分析していたのがとても楽しい体験だったそうです。
その本の中で上白石萌音さんがびっくりしたのは、「娘達の言い間違いを直さない」ことだったそうです。
川原繁人先生の答え、「彼女たちには彼女たちの理屈がある」ということでした。
子どもにも理屈があるのだから、そこに大人の理屈を押し付けてはだめ!
そして直さないことで自分で発見する過程を見つけたかったそうです。
川原繁人先生の理想の将来像とは
上白石萌音さんからの質問に、
と思うようになったんだそうです。
それを聴いて、上白石萌音さんは川原繁人先生の本を読んですごく幸せになった理由が分かったそうです。
今回のスイッチEP2はとても興味深く、心に響く内容が多かったです。この番組を見て川原繁人先生をとても好きになりました。
これからの川原繁人先生のご活躍を応援していきたいです。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント