2003年、阪神タイガースは星野仙一監督の下で18年ぶりのリーグ優勝を果たしました。
この快挙を支えたキャッチフレーズ「勝ちたいんや」には、意外にも星野監督、板東英二氏、そして明石家さんまさんが関わる面白いエピソードがあったのです。
「勝ちたいんや」の真のルーツ
実は、この有名なフレーズは星野監督のオリジナルではありませんでした。
その起源は、ある日のゴルフコースでのできごとにさかのぼります。
板東英二氏、明石家さんま、そして他の仲間たちがゴルフをしていた時のこと。板東氏の打ったボールがラフに入ってしまいました。
ここで板東氏は、驚くべき行動に出たのです。
自分のクラブを使って、まるで犬の散歩でもするかのように、何食わぬ顔でボールをヘッドで転がしながらラフから出そうとしたのです。
この「イカサマ」を目撃したさんまが「板東さん、何ていう汚いことすんねん!」と指摘すると、板東氏は苦し紛れに「勝ちたいんやぁ」と声を絞り出したのでした。
星野監督とキャッチフレーズの誕生
この出来事を聞いていた星野監督は、「勝ちたいんや」というフレーズに強く惹かれたようです。
そして2003年、阪神の監督2年目を迎えた星野監督は、チームのスローガンとしてこの言葉を掲げることを決意しました。
偶然にも、報道陣が星野監督に今シーズンのキャッチフレーズを尋ねた際、星野監督は「今年は『勝ちたいんや』で行く」と答えたのです。
こうして、このフレーズは阪神タイガースの2003年シーズンを象徴する言葉となりました。
18年ぶりの栄光
「勝ちたいんや」というシンプルながら力強いメッセージは、選手たちの心に深く刻まれました。
星野監督はこの言葉を繰り返し訴え続け、その強い思いは選手たちに浸透し、さらにはファンにも伝わっていきました。
チームは素晴らしいスタートダッシュを切り、5月には3者連続本塁打を放つなど、勢いに乗りました。
そして9月15日、阪神タイガースは甲子園球場で広島カープを相手に優勝を決めたのです。
まとめ
「勝ちたいんや」というフレーズは、単なる言葉遊びから生まれた偶然の産物でした。
しかし、星野監督の情熱と選手たちの努力が相まって、このフレーズは阪神タイガースの歴史に残る名言となりました。
板東英二氏の小さな「イカサマ」から始まり、18年ぶりのリーグ優勝という大きな勝利につながった「勝ちたいんや」。
このエピソードは、些細な出来事が時として大きな成功をもたらすことがあるという、人生の面白さを教えてくれているのかもしれません。
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