KTM破産手続きはなぜ?「夜逃げ」ではない再建への道とハスクバーナがどうなるかについても

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オーストリアの名門バイクメーカーKTMが、2024年11月26日に自主管理による法的再建手続きの開始を発表しました。

KTMが破産手続きを開始したとのニュースにはバイクを愛するものとして衝撃的なことでしたが、KTMが「なぜ」経営難に陥ったのでしょうか?

また、KTMの破産手続きのニュースで「夜逃げ」という言葉が検索されていますが、破産手続きの理由は経営難に陥ったKTMを再建するための道を模索するためのものです。

そして、この破産手続きによってKTM傘下のハスクバーナがどうなっていくかについても調査していきたいと思います。

そこで、この記事では、

KTMの破産手続の内容について
KTMがなぜ経営難になったのか?
KTMの再建への道はどのようなものか?
KTM破産でハスクバーナがどうなるのか?
について見ていきたいと思います。
それでは、早速始めていきます。
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KTM破産手続き開始!

KTMは「READY TO RACE」というスローガンでもおなじみの、オーストリアに本拠を置き、1934年に設立されたヨーロッパ最大のバイクメーカーです。

KTMはオフロードバイクで特に有名ですが、1974年以降のモータースポーツ界では260以上の世界選手権のタイトルを獲得している他、

ダカールラリーでKTMは2001年から2019年まで18連覇を達成するほどの優れたレース実績も持ち合わせたバイク乗りにとってはあこがれのバイクブランドでもあります。

 KTMの破産手続の内容について

KTMは財務的な破産状態にあり、企業としての倒産回避のために欧州での手順による自主的な再建プロセスを開始することを発表しました。

その理由は、KTMは1億ユーロ(160億円)以上の債権の支払期限が迫っており、この支払期限を延ばすためのものです。

支払期限が延ばせなかった場合KTMは破産となってしまいますが、それを回避するためは90日以内に債権者との再建計画になんとしても合意する必要があります。

つまり、財務的には1億ユーロの借金を返済期限までに返せないのでKTMこのままでは破産は回避できません

そこで、債権者に返済期限を延ばしてもらうことで破産を回避するというものです。

現時点でこの再建計画はKTMと債権者間のみで行われ、KTMのディーラーやMotoGP参戦については今後も変わらないとされていますが、債権者との話し合いによる今後の動向は注視する必要があると思われます。

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KTMはなぜ経営難に?

KTMが経営難に陥った原因には様々ありますが、ヨーロッパでの業績不振、中国やインド市場との競争の激化などが影響しているようです。

ヨーロッパでの業績不振

ヨーロッパでは高金利政策による消費者の購買力の低下や、ドイツやフランスでの需要の減少など市場環境が悪化したことがKTMが財政難に陥った大きな原因のようです。

そのため最近では生産調整のため人員削減に取り組んでいましたが、販売低迷によって多くの在庫が積みあがっていて経営を圧迫したことは業績不振の大きな原因となっています。

中国やインド市場との競争激化

KTMのバイクの魅力は高性能ということで、KTM「390デューク」だと平均でも80万円程ですが、インドのBajaj「ドミナール400」だと30万円程度で購入できます。

引用元:MOTORCYCLESPORTS

 

もちろん、高性能のバイクに乗るなら断然KTMに軍配が上がりますが、ヨーロッパでの購買意欲の低下も影響して低価格バイクの魅力も増しているのがKTMの業績不振を招いてしまっているようです。

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KTM「夜逃げ」ではない再建への道

KTMが返済に向けて債権者と話し合いをする背景には、KTMブランドを存続させて、ディーラーやパートナーへの責任を貫きたいというKTMの思いが感じられます。

KTMとしてまず取り組まなくてはならないのは、悪化した財務状況の改善のために膨れ上がる在庫の整理が急務になります。

ここ数年は急激に販売台数が減少していて、2024年上半期の売り上げでは前年と比べて27%も減少していたそうです。

このような状況のため、生産台数削減が追い付かずに在庫が膨れ上がってしまい、少ない売り上げの利益では生産コストが回収できないため膨大な赤字を積み上げてしまいました。

KTMの再建に向けた取り組み

KTMは年間収益の95%がパイクの利益に依存しているため、バイクでの再建が絶対条件になります。

そのために、KTMでは2024年の前半で300人以上のリストラを行っていますが、さらに数百人規模の追加のリストラや短縮労働などによる人件費の削減なども計画しているようです。

このような構造改革により、減少する販売台数に見合った生産コスト体制に改変して利益の確保に目途をつけるなどして、債権者との合意に漕ぎ着けたいというKTMの強い思いが伝わってきます。

さらにKTMのCEOは「グループの再編は、KTMグループの長期的な存続を確保するだけでなく、今後のさらなる発展の基盤を築くものでなければならない」と述べています。

唯一無二のKTMブランドがこれからも多くのファンを楽しませてくれるよう、再建の行方を見守っていきたいと思います。

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KTM破産でハスクバーナの未来はどうなる?

ハスクバーナは元々スウェーデンの農園、造園機器などを手掛けるメーカーのバイク部門という位置づけでしたが、バイク部門がBMWに買収され、その後KTMに売却されています。

BMW時代は高級車両やツーリングバイクとして知られていましたが、KTMに移ってからはよりスポーティーでアグレッシブなオフロードやスーパースポーツバイクのブランドとして確立されています。

ハスクバーナの未来の展望

KTM傘下のハスクバーナは2024年11月にイタリアで開催された「EICMA2024」に4年ぶりに新型車「ヴィットピレン801」を出展しています。

このことからも、KTMがハスクバーナをさらに盛り上げていくという熱意を感じることができます。

このことからも、KTMがハスクバーナなどのグループを傘下に残したまま、各ブランドの強みを生かした戦略がで再建の道を模索しているように感じます。

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KTM破産手続きまとめ

KTMの破産手続きは、現時点では支払期限までに返せない1億ユーロの期限を延ばすことで、KTMが確実に返済できる再建計画をだして債権者に合意してもらって破産を回避するものです。

KTMがなぜ経営難になったのかについては、ヨーロッパ市場で消費者の購買力が低下する中でインドや中国の低価格バイクとの競争により販売台数の低迷が加速したためと思われます。

KTMの再建に向けて、膨れ上がった在庫を適正な数にするため、リストラや生産調整を行って販売台数に見合った生産体制の構築を目指しているようです。

KTMが破産手続きの中でも、ハスクバーナブランドを残そうという思いが感じられます。

それでは、最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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